JavaOne 2016 2日目 - JDK 9 がくるよ(7 月に)
こんにちは、開発部の野口です。
今年も JavaOne にきています。(二年連続二回目)
というわけで 2 日目のレポートをお送りします!!
と、バシッといきたいところなのですが、不覚にも PC の AC アダプタをうちに忘れてしまい、iPhone で書いています……。
ので、特に印象に残ったものをダイジェストでお伝えしてまいります。
JDK 9 Language, Tooling, and Library Features.
JDK 9 の最新状況もろもろをダイジェストで伝えるセッション。
さすがに人気でした。
1 年前にはちょうどこの JavaOne 2016 の期間中にリリースされる予定だった JDK 9 は、その後リリース計画が半年ずれ込んでいましたが、最近さらに延期の提案がされ、現在は 2017 年 7月の見込みのようです。
気を取り直して、内容はというと、まず Modularity(Project Jigsaw)の話、それから JShell や 新しい Javadoc などツールの話、言語への変更について、ライブラリについてのアップデート、そして最後に Q&A という構成でした。
私は、リリースがまだ先ということもあって、JDK 9 のことは今まであまりちゃんと追っていなかったのですが、今こうしてキャッチアップしてみて、やはり JDK 8 ほどのインパクトのあるアップデートではないのかな……というのが正直なところです。
とはいえ、大きなものでは Jigsaw による依存性管理の改善をはじめ、Java がより使いやすくなる地味ながら着実な変更が色々と入ってくる印象です。
個人的には、Java で REPL が使えるようになる JShell がなんとなく想像していたよりも便利そうで、ワクワクしています。
コマンドライン上で評価した値に(自動的に割り振られる)「$1」のようなシンボルを通して簡単にアクセスできたり、メソッド名を途中まで入れてからタブで候補の一覧が表示されたりと、軽快なデモを見ていると、触ってみたくなる感じでした。
動画が上がっています。
JShell のデモがこの動画の 12:40 からなので、ぜひ見てみてください。(もちろん JDK 9 の Early Access を入れて触ってみるのもよいです!)
また、Javadoc でインクリメンタルサーチが使えるようになるのも地味に嬉しいですね。裏で Java が……ということはさすがになく、JavaScript で実装されているそうです。
スライドも上がっています。
色々と詳細な情報が記載されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
The Diabolical Developer’s Guide to Performance Tuning.
「Diabolical Developer(悪魔の開発者)」というやばそうな肩書を持つ人によるやばそうなセッション……のはすだったのですが、Java Champion の Kirk Pepperdine が登壇していました。
といっても、もともと予告されていたこのセッションの内容が Kirk Pepperdine のパフォーマンスチューニング手法を紹介するものだったので問題なし。
結果として、とても充実した内容でした。
パフォーマンスチューニングの王道に沿って(測る、仮説を立てる、少しだけ変える、測る、仮説を立てる……)問題を絞り込み、JVisualVM をはじめとした定番のツールを使って探り当てるという、言葉で説明してしまうとなんてことない内容なのですが、目の当たりにすると実に鮮やかです。「こうやってやればいいんだ!」という感動があります。
その考え方や手法自体は、今回のものではないですが、以下のスライドに紹介されています。
また、やはり今回のものではないのですが、今回のセッションに似た構成のセッションのビデオも見つけました。
解像度が低くて画面がよく見えないので少し辛いかもしれませんが……雰囲気は伝わるかなと思います。
Learn About DI and Web Frameworks Through Implementation
最後に紹介するのは、日本ではおなじみの、きしだなおきさんのセッション。
BOF(Birds of a Feather)というユーザセッションの枠で、入場チェックも特にないなどざっくりした運用の中、始まる少し前までは人もまばらだったのですが、始まる頃にはそこそこの人が集まっていました。
内容は、ドンズバでこれです。
私もこの記事は一度ざっと読んではいたのですが、改めて一歩一歩着実な説明を直接聞くことで、理解が浸透しました。
きしださんは(アメリカでセッションを担当できるからといって)特別に英語が得意というわけではなさそうで、セッション中少し言葉に詰まる場面もあったのですが、参加者は終始興味深く聞いていたように思います。実際、とても面白い内容でした。
しっかりした内実があれば多少言葉が苦手でもやれる国(アメリカ)、あるいは業界(IT)なのだよな……という思いを少しだけ強くしました。
つづきます
JavaOne はまだまだ続きます。
時差ボケもあり、私も同行している陳もへたり気味なので更新を続けられるかはなはだ不安ですが……!
そのへんのチャレンジも一種のエンターテインメントとしてお楽しみいただけると幸いです。