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アジャイル開発になったらQA担当者はどうなるの? 〜「実践アジャイルテスト」で学んだこと〜 その1

こんにちは! 品質マネジメント部の磯です! 2回目の投稿となる今回からは、弊社内で進めていました「実践アジャイルテスト」勉強会にて学んだことを複数回に分けてご紹介したいと思います。

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文化的なチャレンジ

アジャイルに関しての知見というと、よく見られるのはSE/PGよりなものが多いと思いますが、ここではアジャイル体制となった際にQA担当者が陥りやすい状況や、それをどう乗りこなしていくかについてのヒントが書かれています。

危機:品質の番人の考え方(P38 3.1.1 「品質の考え」より)

私たちは、開発リーダーがプログラマにコーディング標準に従うよう強制させることを自慢げに語るテスターと話しました。私たちは、標準に合っていない要求についてのバグを記述することに時間をかけるテスターのことさえも聞きました。これらのことは協力的なアジャイルチームには合いません。これは敵対する振る舞いを育てることになります。

うんうん、過去の経験を思い出すだに、そのようなことはありましたね・・・。これは大きくて厳重なプロセスを一個ずつ踏んでいくウォーターフォール型ではあるあるネタであると思います。技術とは関係ないところではありますが、対立関係が強化されていくとまともな議論すらできなくなるおそれがあります。では品質の番人はいらないの? 品質は誰が守るの?と思いますが、ここでの答えとしては「チーム全体で品質を作り上げていく」といっています。

一体化したチームの品質のオーナーシップ(P39より)

多くのテスターやQAチームにとって、これは品質を所有することから、品質を定義し維持するという特別な役割へのマインドシフトを意味します。

ここで言われていることは、テスト実施やバグ検出のみに注力するのではなく、品質をチーム全体で考えられるよう導いていく存在へと意識を変えていく必要がある、ということと理解しました。つまりは役割がきっちり分かれていると無用な対立や丸投げが発生してしまい、本来達成するべき価値の創出が行えなくなってしまうよ、 協調していいもの作ろう!と。まさしくその通りですね。

もう一つ典型的な状況として、QA担当者におけるアジャイル実施の阻害要因について考察がなされています。

アイデンティティの喪失(P44 3.2.1より)

テスターはいろいろな理由で独立したQAチームを持つことに固執しますが、その一番の理由は不安です。

いくつか具体的な理由が記載されていますが、チームが一つになることで役割が変化しアイデンティティの喪失が発生する可能性があるとのことです。たしかにこの点については私も不安に思う部分がありますが、本には不安は共有しチームで解決していこうとあります。人間の感情的な部分にも着目しているのがアジャイルの特徴なのかなと思います。

まとめ

今回はアジャイル導入に際してQA担当者が持つべき心構え的なところ、「文化的なチャレンジ」について紹介しました。 変化を恐れず不安は共有してチームの一体感を増し、よりよいものを作っていこう!ということですね。

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さて、では具体的に「アジャイルテスト」って何をするの?という部分については次回以降に書いていきたいと思います。 ご期待ください!