Appresso Engineer Blog

アプレッソのエンジニアが書く技術ブログです。

re:Invent 2016 参加レポート

こんにちは、開発の田中です。
最近は HULFT IoT の開発や、エッジコンピューティングの研究開発なんかをやっています。

はじめに

本記事は、アプレッソ Advent Calendar 2016 7 日目の記事です。

アプレッソ Advent Calendar 2016

先週ラスベガスで開催されていた AWS re:Invent 2016 に参加しておりましたので、その参加レポートを書いておこうと思います。

re:Invent は開発者向けのイベントで、開発者の方であれば得るものも多く、非常に刺激のあるイベントです。
読んでいただいた方がぜひ行きたいと思う記事になればと思います。
(現地レポートや、まとめ記事、新サービスを網羅するような記事ではありません。)

私は昨年も参加しましたので、昨年と比較してどうかという感想も書いていきたいと思います。

2 つの Keynote

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re:Invent では 2 回の Keynote で怒涛の新サービス発表が行われます。
今年は昨年と比較してもより多くのサービスが発表されましたし、そのインパクトもいろんな意味で大きかったと思います。

私が気になったサービスをざっくりカテゴリ分けしてみました。

  • クラウドへの移行
    • AWS Snowmobile
    • AWS Snowball Edge
  • AI
    • Amazon Rekognition
    • Amazon Polly
    • Amazon LEX
  • プリミティブなサービスを補完する系
    • Amazon Lightsail
    • AWS Step Function
    • Amazon EC2 Systems Manager
    • AWS Glue
    • AWS Batch (?)
  • 開発者をサポート
    • AWS CodeBuild
    • AWS X-Ray
    • AWS Shield

特にプリミティブなサービスを補完するサービスについては、非常にインパクトがありました。
いままで AWS のパートナー各社が自力でやっていたようなサービスが AWS によって管理され、運用コストも減るとなればユーザーにとっては非常にありがたいのではないでしょうか。

AWS Glue は名前が示すとおり、糊付けを行うサービスとのことです。
ストレージとしては、S3, RDS, DynamoDB があり、DWH には RedShift があり、BI には QuickSight がある。
しかし、今までそれらを糊付けするサービスがなかったので、AWS Glue を作りました、とのことです。
実際 ETL はさまざまなパッケージベンダーが提供しているにも関わらず、なぜ AWS が自身で提供する必要があったのかという問には、ETL を実装しているユーザーはたくさんいるが、実際にそれらの製品を利用している人は少ない、とデータを示していました。
うむ。

Keynote を通してあまりにもたくさんのサービスが発表されるので、Keynote の終盤は周囲をみるとだんだんついていけなくなってる人がいたような...

また今回強調されたキーワードとしては、以下のものがあったと思います。

  • クラウドへの移行
  • パブリックセクター・金融業界での導入

全てを AWS クラウドへ持っていける/持っていきたいという意思があり、それを支えるだけのサービスは用意した、という感じです。
また、AWS クラウドは公共機関や、金融業界などのセキュリティ、運用可能性、俊敏性などあらゆる面でシビアな業界でも使用に耐えられるプラットフォームであると主張していました。
昨年の新サービスや流行りを思い出すと、AWS Lambda や AWS IoT, API Gateway, Kinesis Firehose など、クラウドの可能性を模索したり広げたりするサービスがメインであったなと思います。

ブレークアウトセッション

私は主に、IoT 関連のセッションを受けていました。

  • IOT303 - Innovation After Installation: Establishing a Digital Relationship with AWS IoT
  • IOT202 - Internet of Things (IoT) Edge and Device Services
  • IOT203 - 1-Click Enterprise Innovation with the AWS IoT Button
  • IOT205 - IoT Analytics: Insights for a Connected World
  • IOT304 - IoT and Beyond: Building IoT Solutions for Exploring the Final Frontier

IoT に関してもいくつか新サービスが発表され、その一つに AWS Greenglass があります。
ざっくりいうと、AWS Lambda がネットワークエッジに下りてきた感じです。
まだ実際に使ってみることができないし、詳しい情報も不明です。

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ネットワークが不安定な場所にいるネットワークエッジで、常に安定してデータを送ることができない状況では、エッジはエッジで自立して活動し、ネットワークが繋がったらクラウドと情報を同期する、というような使い方を想定しているようです。
どこまで通用しそうなものなのか早く試してみたいですね。

また IoT プラットフォームとしての AWS をどれだけ簡単に素早く検証してもらえるかの工夫もありました。
その一つが AWS IoT Button と AT&T の IoT Starter Kit です。
AWS IoT Button はまだ日本では使用することができませんが、Amazon Dash Button でまずはユーザーとして使うことができます。

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展示や日本人同士の交流

相変わらず展示会場は広大でした。

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昨年は日本からは私達 HULFT の展示だけだったかと思いますが、今年は SORACOM 様、スカイアーチ様、富士ソフト様、サイボウズ様、mobingi 様など、多くの企業が挑戦に来ていました。

re:Invent にはジャパンツアーで 400 人 (くらい?) が来ていて、その方々が一同に集まる懇親会が開催されます。
ラスベガスというある意味隔離された場所で、しかも re:Invent 中という限られた時間という状況だと、日本にいるよりも濃いコミュニケーションが取れると思いました。
普段お会いすることが無いような方とも話すことができますし、re:Invent に来るメリットの一つはここにあると思います。

全体感

開発者はぜひ一度は行くべきイベントだと思います。
カンファレンスの開催の仕方を見ると、この人達は世界を動かしているなと本気で思いましたし、顧客のためにあらゆる手を尽くすと感じました。
自分も同じ土俵で勝負をしてるんだなと思うと、じっとはしてられませんよね。

というわけでみなさんぜひ一度は AWS re:Invent に行きましょう!!

おまけ

宿泊したホテル「ベネチアン」。
周辺のホテルは全部巨大で、歩いていると距離感がおかしくなります。

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アメリカに来たのであればまずは肉を食わねば。

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AWS Snowmobile 。
Keynote での初登場時は何のジョークかと思いました。

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参考

前回の参加レポートはこちら

re:Invent 2015 0 日目 - AWS 訪問 & シアトルセッションレポート - Appresso Engineer Blog
re:Invent 2015 1 日目 - ウェルカムレセプション & ブース展示 - Appresso Engineer Blog
re:Invent 2015 2 日目 - 基調講演 & ブレークアウトセッション & 展示 - Appresso Engineer Blog
re:Invent 2015 3 日目 - 基調講演 & ブレークアウトセッション & 展示 - Appresso Engineer Blog

セッションの動画

www.youtube.com